Helium History

  1. 初代Heliumは、2008年にカデル・エヴァンス(サイレンス・ロット)と共に開発され、彼の求めるクライマーバイクとして設計されました。カデル・エヴァンスはRIDLEYの研究開発エンジニアに明確なメッセージを伝えました。
    それは「私がツール・ド・フランスで優勝するための自転車を作って欲しい。UCIが定める重量制限6.8kgに可能な限り近づけ、ただし過度な軽量化により剛性を犠牲にすることがあってはならない。」というものでした。
    カデル・エヴァンスのメッセージはRIDLEYによって成し遂げられ、Helium ISPはツール・ド・フランスの数週間前に正式に発表されました。それがHeliumの素晴らしい軌跡の始まりでした。

    Helium History

    それでは、Heliumの美しい勝利をご覧ください。

  2. Helium ISP 2008-2012

    UCIが定める重量制限6.8kgに可能な限り近づけるため、大口径のダウンチューブを極限までシェイプさせ、ISP(インテグラルシートポスト)を採用。軽量化と剛性に焦点を当てたフレーム重量900gのクライマーバイクとして設計されました。カデル・エヴァンスをはじめ、グレッグ・ヴァンアーヴェルマート、ホアキン・ロドリゲス、ジョニー・フーガーランドが愛用しました。

    2008年 ブエルタ・ア・エスパーニャ

    Heliumが実戦投入されて数ヶ月後に最初のスプリント勝利を収めました。
    当時はクライマーのために作られたバイクでしたが、すでにクライマーバイク以上の性能を発揮していました。グレッグ・ヴァンアーヴェルマート(サイレンス・ロット)はブエルタでHeliumを使用しました。
    第9ステージは長い逃げの後にダビデ・レべリン(ゲロルシュタイナー)とのスプリント勝負で勝利しました。

    2011年 パリ~ニース

    トーマス・デヘント(バカンソレイユ)はワールドツアーレースで印象的な走りを見せました。
    パリ~ニースの第1ステージでは、イェンス・フォイクト(レオパード・トレック)とジェレミ・ロワイ(FDJ)と先行して逃げを打ちました。
    プロトン(集団)は完全に計算を誤り、最終的に先行している3名とのギャップを詰めることができませんでした。トーマス・デヘントはゴール前200mでスプリントを開始し、ワールドツアーレースで初勝利を収めました。
    数ヶ月後のツール・ド・スイスでは、アタックを繰り返し、アンディ・シュレック(レオパード・トレック)のようなトップクライマーを振り切ってみせました。

  3. Helium SL 2013-2016

    Heliumシリーズの進化における大きな一歩でした。フレーム重量(750g)の軽量化とともに反応性を高めることに焦点を当てました。チューブ形状を見直し、下側のヘッド規格を1-1/2から1-1/4に変更することで、ヘッドチューブ周辺の軽量化と必要な剛性を確保。シートステーもさらに薄くすることで軽量化と振動吸収性を両立させました。BB規格をBSAからPF30に変更し、BBエリアの剛性アップが行われました。トニー・ギャロパンをはじめ、ティシュ・ベノート、ユルゲン・ファンデンブロックが愛用しました。

    2013年 ドイツナショナルチャンピオン

    スプリンターであるアンドレ・グライペル(ロット・ベリソル)は登りの多いコースレイアウトのドイツナショナル選手権を、ほとんど期待せずにスタートしました。アシストであるマルセル・シーベルグ(ロット・ベリソル)1人だけでは登りで集団をコントロールすることができず、レースは一瞬の油断も許されない非常に攻撃的な展開でした。それでも、アンドレ・グライペルとマルセル・シーベルグはゴールまで残り30kmで最後の攻撃を阻止するため、ハイスピードで集団をコントロールしました。土砂降りの雨の中でアンドレ・グライペルは得意のスプリント勝負で勝利し、ナショナルチャンピオンを獲得しました。

    2014年 ブエルタ・ア・エスパーニャ

    ロード界の鉄人と称されるアダム・ハンセン(ロット・ベリソル)は2013年のジロ・デ・イタリアで素晴らしい勝利を収めましたが、さらにブエルタ・ア・エスパーニャ第19ステージでの勝利は非常に印象的でした。残り5kmで逃げている選手を吸収すると、ピーター・ケノー(スカイ)は自分が攻撃するタイミングが来たと思いアタックするも、追い上げてくるアダム・ハンセンのスピードははるかに速く、他の選手も追いつくことができず独走態勢に持ち込みステージ優勝しました。
    ハイライト:2014年ブエルタ・ア・エスパーニャ 第19ステージ

  4. Helium SLX 2017-2019

    フレーム重量は前作の750gを維持しつつ、ヘッドチューブ、トップチューブ、ダウンチューブのカーボンレイアップを見直し、チューブ形状を変更することで、剛性と反応性を向上させました。フロントフォークもストレート形状に変更することで、ハンドリング性能を高めました。アダム・ハンセンをはじめ、トーマス・デヘント、ヴィクトール・カンペナールツが愛用しました。

    2018年 ストラーデ・ビアンケ

    ロードレースは人との戦いだけではなく自然との戦いでもあり、これが勝敗を分ける分岐点でもあります。
    レースの状況を知らせる全てのラジオ中継は、トリッキーで危険な砂利のセクションはこれまで以上に難しくなっていると放送しました。それを聞いたティシュ・ベノート(ロット・スーダル)はその危険なセクションのために体力を温存しました。ワウト・ファンアールト(ヴェランダスウィレムス・クレラン)とロマン・バルデ(AG2R)は先行していましたが、ティシュ・ベノートはセクター10で差を縮め、最後のセクター11で攻撃を開始し、そのまま独走態勢に持ち込み優勝しました。

    2019年 ツール・ド・フランス

    第8ステージ、スタート直後からトーマス・デヘント(ロット・スーダル)を含む4人は、その日5回目の登りをこなし、ゴールまで55kmを残してメイン集団との間に4分ほどのリードを築きました。最後の登り(残り13km)の直前までに4分あったリードが1分弱に縮まる中、独走状態に持ち込んだトーマス・デヘント。メイン集団からジュリアン・アラフィリップ(クイックステップ)が爆発的なアタックで飛び出し、ティボー・ピノ(FDJ)が合流。二人は最後まで追走を試みましたが、トーマス・デヘントは決してペースを落とさずそのまま6秒差で逃げ切り優勝しました。
    まさにトーマス・デヘントが最も優れたアタッカーであると証明された瞬間です。

  5. Helium SLX Disc 2020-2022

    Helium SLXにディスクブレーキを搭載。それに合わせたカーボンレイアップの見直しにより左右バランスを最適化。ディスクブレーキ化に伴う重量増をわずか50gに抑えました。F-Steererテクノロジーを採用し、ケーブル類をフル内装することで空気抵抗を低減しハンドリング性能を向上させました。トーマス・デヘントをはじめ、フィリップ・ジルベール、ティム・ウェレンスが愛用しています。

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